意味を知ると、
贈るのがもっと
楽しくなる。

文様や民芸品、季節のお菓子。何気なく見ているものにも、人々が結びつけてきた願いや物語があります。
「どんな気持ちを贈りたいか」を入口に、そんな意味と由来をたどってみませんか。

どんな気持ちを贈りたいですか?

ものに込められてきた意味と由来

見たことのある模様や小さな縁起物も、意味を知ると少し違って見えてくるかもしれません。

紺色の布に白い輪が連続して重なる七宝つなぎ文様を表現したイメージ
七宝つなぎの表現イメージ

七宝つなぎ (しっぽうつなぎ)

重なる輪が、どこまでも続いていく。

円の一部を重ね合わせ、輪が連続して広がる「七宝つなぎ」。四方へ途切れず続く形から、円満や調和、繁栄の願いと結びついてきた吉祥文様です。

「七宝」という言葉は、もともと仏教で尊ばれる七つの宝を指します。身近な布や器に現れる幾何学模様にも、人々は豊かさや縁起のよさを見いだしてきました。

輪がつながる姿に、人とのご縁を重ねて。感謝を伝える相手に、七宝つなぎの風呂敷や小皿を贈るのも一案です。

意味の出典:三川内焼振興協同組合、榛原オンラインミュージアム

赤茶色と白の矢羽根形が繰り返される矢絣の布を表現したイメージ
矢絣の表現イメージ

矢絣 (やがすり)

まっすぐ飛ぶ矢に、願いを重ねる。

矢絣は、矢の後ろにつける羽根を繰り返し描いた伝統文様。古くから矢には縁起のよさが見いだされ、矢羽根の模様も着物や染織品に使われてきました。

かつては「放った矢は戻らない」ことから、婚礼の際に「出戻らない」と縁起を担ぐ風習もありました。そうした昔の価値観とは区別して、今では、卒業の袴にも見られる柄として親しまれています。

新しい場所に向かう人へ、まっすぐ進む矢の姿にエールを重ねて。矢絣模様の布小物などを選ぶこともできます。

意味の出典:奈良国立博物館、nippon.com

赤い胴と白い顔をした起き上がり小法師を木の机に置いたイメージ
起き上がり小法師の表現イメージ

起き上がり小法師 (おきあがりこぼし)

転んでも、また起き上がる小さな人形。

会津地方に伝わる起き上がり小法師は、倒しても起き上がる素朴な民芸品。その姿に「七転八起」の願いが重ねられ、健康や粘り強さを象徴する縁起物として親しまれてきました。

会津では、家族の人数よりも一つ多く買い、家族が安全に暮らし、繁栄するよう願う習わしもあります。小さな姿に、たくさんの願いが詰まっているのです。

何かに挑戦する人の机に、小さな起き上がり小法師を。応援している気持ちを静かに伝える贈り物にもなりそうです。

意味の出典:福島県教育委員会、会津若松観光ナビ

秋の葉を背景に、黒い皿に盛られた亥の子餅をイメージした和菓子
亥の子餅の表現イメージ(実際の形や素材は店ごとに異なります)

亥の子餅 (いのこもち)

健やかに暮らす願いを、季節の餅に。

旧暦十月の亥の日に、無病息災や子孫繁栄を願って食べられてきた「亥の子餅」。平安時代の宮中行事にもゆかりがあり、イノシシが多くの子を産むことにあやかって、家族が栄えるようにと願われてきました。

秋の収穫に感謝する風習とも重なり、亥の日には冬支度や「炉開き」をする習わしもあります。古くは七種の素材を使ったとされますが、今の餅は和菓子店や地域によって形も材料もさまざまです。

健康を願う気持ちを添えて、亥の子餅を家族や大切な人と分け合うのも素敵です。季節限定で、日持ちが短いものもあるため、購入時には確認が必要です。

意味の出典:行事食協会、たねや

意味と由来の参考資料

紹介した意味は資料で確認できる文化的な背景です。各項目の最後に書いた「贈るなら」という一言は、伝統として決められた意味ではなく、この図鑑からの提案です。意味や習わしには、地域や時代による違いもあります。

掲載画像はAI生成によるイメージです。実物写真や特定の商品の写真ではありません。

  1. 三川内焼振興協同組合「みかわち焼の文様」
  2. 榛原オンラインミュージアム「花入り七宝」
  3. 奈良国立博物館「矢羽根文」
  4. nippon.com「日本の伝統文様」
  5. 福島県教育委員会「うつくしま電子事典」
  6. 会津若松観光ナビ「山田民芸工房」
  7. 行事食協会「亥子」
  8. たねや「亥の子餅」